赤線地帯/溝口健二

aru002006-10-01


 実は初ガーデンシネマ。張り切って前売りまで買ったのに、
今日は映画の日だった・・・しまった!!


溝口作品も初めてだったけど、いやあ面白かった。
見慣れた東京・浅草界隈の吉原で働く5人の娼婦達。
売春禁止法が発令され、おのおの色んな事情で身を売る彼女達も
それに翻弄されて行くんだけど、けして幸せではないのに
彼女達それぞれの逞しくて綺麗な事といったら。
反して出てくる男達は皆情けなくて浅はかな奴ばかり。


娼婦の一人が結婚に憧れ、念願かなって結婚し娼婦を辞めても
結局すぐに舞い戻ってくる。その理由が「嫁なんて所詮
タダ働き。なのにどんなに働いても貧乏だし、他の職業では
稼げない。沢山稼いで、自分で好きにつかえるここが良い」って。
戦後、女性が強くなったとか働きすぎで少子化が進んだとか
言われるけど、実は昔から女は変わってないんじゃないかなあ。
あくまで環境が変わっただけ。
暗いテーマなのに、どこか明るく感じたのは女優達の
逞しさと美しさのせいかな。テルミンをやたら強調した
音楽はちょっといまいちだった。

カイロと岩盤浴

 一月ぶりに若宮カイロプラクティックでカイロと岩盤浴
もちろん腰骨のズレと肩こりを治してもらい、岩盤浴
デトックス、が主目的だけど、霊感の強い先生の ムダ話 世間話も
結構面白い。


ずっと前、明け方に黒い影が布団に入って来ようとするので、
何かと思ったら別れた彼女の生霊だったとか、
ラブホに入ると帽子を被った男の人が壁から出たり入ったりするので
フロントに聞くと最初は「何もありません」と言ってたのに、
しつこく聞くと根負けして「実は自殺がありました」とか。


「ラブホに行ったのは昔の話で、しかもそんなに行ってませんよ!」と
やけにムキになってたが、誰もそこは突っ込んでないって。
でも話は面白いけど、話に夢中になりすぎると先生の手が止まるので
相槌打つ加減は調整しないといけない。
あ、でもほんと真面目だし腕のいい先生です<念のためフォロー


終わった後中野までぶらぶら歩いて、地鶏料理の店に入った
(名前失念)。
お腹も空いてたし、つい調子に乗って3杯ほど飲んだら、
お店ではほろ酔い程度だったのに家に着いたら頭痛がして来た。
やっぱり岩盤浴の後の酒は控えないとダメですね・・・

送別会

 タイ人のpさんが退社することになったので、
「魚が食べたい」という彼女の希望でかまどご飯と
焼き魚の店「一夜一夜」で送別会をした。


お餞別の品は日本らしいものがいいかな、という事で
銀座コアの「香十」でお香立てとお香のセットを選んだ。
久しぶりにこのお店来たけど、可愛い物が多くて大変。
自分用に買ってる子も居た。今度私も買いにこようっと。


2ヶ月前、突然「会社辞めてタイに帰る」と言い出した時は、
最近遠距離恋愛の彼が浮気してるとか、学生時代の外国人同期は
皆帰国したとか言ってるから、てっきり里心がついたのかと
思ったら全然違った。
「ここでは希望の仕事が出来ない。自分の夢はアメリカの大学に言って
MBAを取る事です。私の人生目標より遅れているので焦ってるんです」
って、焦ってるってまだ25歳なのに・・・と思ったけど。


最終日、関係者全員に挨拶メールが来ていた。
日本人でも上手く書けそうもない丁寧な文章で、最後に
「日本で学んだ事を、これから自分の為だけでなく
世界の役に立てるよう頑張って行きたいと思います」と
締めくくられていた。
う〜やっぱり考える事のスケールが違うな。
早く旅立ててよかったのかも。最初は「プライド高くて
扱いにくい」と噂があったけど、でも本当はいつも笑顔で
涙もろい可愛い後輩だったのにな。
来週からのランチがまた暗くなりませんように。

橋 BAR


2次会もkさんお勧めのバー。但し、ウチの社員のたまり場になってるそうだ。
今日は幸い先客は知らないカップル一組のみ。
しかし、この店もまたよかった。


内装は珍しい白木のバーカウンターで、ふと見ると足元まで板がなく、
バーテンさんの足元が見えている。お店の名前にちなんで、バーカウンターを
「橋」のように渡してるそうだ。
しかし足元が見えるということは冷蔵庫とか何も置けないわけで、
カウンターの後ろも壁は真っ白。よくある酒棚は置いてなくて、
後ろのテーブルに沢山酒瓶が並べてあるだけ。
こんだけシンプルな店内なのに、手書きで綺麗な料理のイラストが
載ってる料理メニューもかなり充実してるらしい。
今回はさすがにおなか一杯で食べられなかったけど。


ビールやカクテルのグラスは全部「うすはり」のグラス。
これ業務用で扱うのはすっごい大変だろうなあ。でもさすがに
熟選の生をこのグラスで飲むとものすごく美味しかった。
そしてkさんお勧めの「モヒート」を飲んでみた。
「こんなにミント入れる店って他にないよ」
って言うとおり、グラスすれすれまでミントがぎっしり。
さわやかで美味しかった。
終電も近くなってきたので皆で名刺交換してお店を出ると、
見えなくなるまで店の前で見送ってくれるし。クラブのママさんのようだー。
2日後には会社にお礼の葉書が届いてました。マメなお店だなあ。
これからひいきにしたいです。

http://www.edagawakoichi.com/tbar/hashi.html

正泰苑

aru002006-09-27


今回の焼肉の会はkさん幹事でなかなか予約が取れないという
超人気店の銀座正泰苑。
HPを見たら、飲食店の入ったビルの9階。でも、他の店は全部
ちゃんと連絡先が載ってるのに、この店だけ電話番号が載ってない!!
あまりの人気であえて載せてないそうだ。


内装は焼肉店なのにカップル用のカウンターもあるお洒落な内装。
メインの焼肉も、最初に塩カルビを食べた時は・・・よく
グルメレポーターが言ってる「口の中でとろける肉」ってのは、
まさにこういう事か!と納得。
レバ刺しはもちろん、苦手なハツとかも全く臭みがなく、
今まで食べた中でおそらく一番美味しい焼肉屋でした。


でも一皿の盛りは少なめなので、皆肉は控えめに食べていたんだけど
このメンバーで肉は我慢できてもビールを我慢できるわけがない。
他のテーブルより明らかに倍のビールを頼んでいたし、
こんな上品な店でこれだけいいお肉だからそれなりの値段は覚悟
してたけど、予想よりだいぶ安かった。
この味でこの値段なら、電話番号載せて無くても、予約殺到するはずだなー。
町屋に本店があるそうなので、次回はぜひそこで!という事になった。
忘年会シーズン前に、ぜひ行ってみたい。

リーラ・神の庭の遊戯/玄侑 宗久

リーラ

某百貨店の小冊子に禅寺生活を書いたエッセイ「べらボーな生活」を
愛読していたので、小説もいっぺん読んでみたいと思ってたら
またずいぶん時間が経ってしまっていた。
しかし、自殺した姉「飛鳥」の死をめぐり、弟、その彼女、母親、
彼氏、彼女に付きまとっていたストーカーがそれぞれ思いを
綴る様式が面白かった。


霊とか前世とか魂とか、ヘマフロディトス、氣、電磁波、
超ヒモ理論とか元オカルト雑誌「ムー」の愛読者としては
その辺のネタが上手く話しに盛り込まれていてなかなか楽しい。
最後に成仏していない飛鳥を成仏させたのは、弟の彼女の故郷に住む
ユタだったのが意外。お坊さんの本だから観音様かと思ったら、違うんだ。
自殺の理由と成仏という概念は最後までよくわかんなかったけど、
オカルト好きな人ならそこそこ楽しめそう。

日の名残り/カズオ・イシグロ

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

執事といったらバットマンの執事アルフレッドぐらいしか思いつかない
私には、この老執事の生き方や考え方は正直理解できない事ばかり。
個人的な感情は全て捨てて、ひたすら任務を遂行しながらもやがて敬愛する
主人も失い、自身も衰えていく姿は哀れにも見えたけど。
最後まで読み進んでみると、ひたすら日が落ちてゆく
もの寂しい物語かと思いきや、夕日の素晴らしさを称える物語だった事に
やっと気づいた。
薄っぺらい自己実現ばかりに夢中の「オレ様」な現代人より、
よほど充実した人生なんだろうな。