日の名残り/カズオ・イシグロ

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

執事といったらバットマンの執事アルフレッドぐらいしか思いつかない
私には、この老執事の生き方や考え方は正直理解できない事ばかり。
個人的な感情は全て捨てて、ひたすら任務を遂行しながらもやがて敬愛する
主人も失い、自身も衰えていく姿は哀れにも見えたけど。
最後まで読み進んでみると、ひたすら日が落ちてゆく
もの寂しい物語かと思いきや、夕日の素晴らしさを称える物語だった事に
やっと気づいた。
薄っぺらい自己実現ばかりに夢中の「オレ様」な現代人より、
よほど充実した人生なんだろうな。