最後の物たちの国で/ポール・オースター

最後の物たちの国で (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

最後の物たちの国で (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

借りた本をがしがし消化中。


タイトルから勝手に暗くて静かで村上春樹的な世界を想像してたら、
全く違うモノだった。
主人公の女性が行方不明になった兄を探してたどり着いた国は
どうしようもなく悲惨で、暗くて、混乱してて
気候も政治も経済も何もかもめちゃくちゃな国だった。
あまりの救いようのなさにこの描写があと5ページ続いたら
読むのやめよう、と思ったくらい。


でも中盤から主人公が様々な人と関わり出し
(良い人も悪い人も居る)、あいかわらずろくでもない目に
会わないのに途中から先が読みたくて止まらなくなった。


オースター作品の中では最も人気が高い本の一つらしい。
好きか嫌いかと聞かれるとどっちとも答えにくいけど、
面白かった、とははっきり言えるな。