[映画]トランスアメリカ

aru002006-09-16


 久々の丸の内ルーブルで。
トランスセクシャル(ゲイとは違う)の男性(女性?)ブリーがこつこつ貯めた
お金でやっと性転換手術を受ける直前、突然「男性」だった頃に出来た息子が
現れる。「自分の過去と向き合わなければ手術は受けさせない」という
カウンセラーに促され、しぶしぶ拘置所に繋がれてる息子を身分を明かさず
保釈しに行き、養父の元へ返してしまおうと2人でLAへ向かう、という
ロードムービー。


主人公のブリーが前評判どおり、すごく良かった。
ごつい体で無理に女性らしく振舞おうとする演技が自然で
すごい上手い俳優さんだなあ、と思ってたら女優さんだったんですね・・・
映画終わって、パンフ見てから初めて気づいた。
「ハフマン」て名前だけで早合点してました。考えたら
フェリシティって女性の名前じゃん。
でもそうとすると、もっと凄い。女性が女性になりたい男性の
演技をする・・・?ややこしいけど、ほんと成り切ってたなあ。


そして息子のトビー役、ケヴィン・セガーズも良かった。
幼少時の虐待もあって今は男娼をやりながらドラッグや酒におぼれる
荒んだ生活をしながら、ブリーに出会って段々心を開いていく様子とか。
久々にドキドキするほどの美少年。
色気があるのに動物好きだったり実の父親に憧れてたり
少年ぽい可愛らしさもあって、リバー・フェニックスの再来とか言われてるのも納得。
ちょっと体はぽっちゃり目だけど。
でも、どんな美少年を見てもでも映画に出てたトビーをネコ可愛がりする
おばちゃん達のように、「カッコイイ」でなくてつい「可愛い〜」と
思ってしまうあたり、自分のトシを感じてちょっと悲しい。


突然女性になった息子に動揺するブリーの家族や、
旅の途中災難にあった彼らを助けるインディアン役も良かった。
物語もよかったけど、キャスティグがかなり貢献してるような。
トランスジェンダーの話というとどうしても悲劇的な話が多かったけど、
これは明るい方へ向かって終わる。
愛情も家族も、いろんな形があっていいんじゃないかと思わせてくれる。
現実にろくな事件がないから、
映画ぐらい明るい気持ちで観終れるのがやっぱりいいな。


しかし、丸の内ルーブルでの上映は突然決まったせいか、
土曜日なのにガラガラ!お客少ない!もったいない!
今週一杯なので、興味ある方はぜひ。