お葬式

aru002005-08-28


 葬式にも92歳と大往生だった割りにはそこそこ親戚や友人が
集まって見送ってくれた。歳を取るともっと寂しい葬式の方が多いそうだから、
祖母はまだ恵まれていたのかもしれない。


今回一番がっくり来ていたのは一人身の伯父と伯母のようだった。
4人兄弟だった母と2番目の伯父は子供がいるが、二人は
「誰が看取ってくれるのか」と不安になっているらしい。
結婚して子供が居れば安泰、って訳ではないだろうけど
独身で居る事って歳を取るとこんな風に重くなってくるんだと
見せ付けられたようでしんどい。


祖母が膝の上の箱に入ってるのは妙な気分だと思いながら
伯父の車で祖母の家に向かった。
でももうそこは「おばあちゃんの家」ではなくなっていた。
伯父が同居して看病していたけど祖母の入院後はもう荒れ放題で
2階は伯父の荷物や趣味のラジコン飛行機やらキーボードで一杯、
1階は祖母の衣服や荷物で埃まみれ。
なんだかたまらなくなって母や伯母達と居間や水周りを掃除しまくった。


祖母の衣装で山積みになったソファをせめて座れるように、と荷物を
どかしていたら小さいアルバムが出てきた。
中は私が生まれた時の写真。祖母がいつ、どういうつもりで見たのか
分からないけど泣けた。いろいろ申し訳なくて。


弔事ではあったけど、今回福岡に帰ってよかった。
母や伯母達と初めて沢山喋った。祖母の最後、伯父と伯母の確執、
遺産やお墓の事など。
祖母の実家、F家のお墓の話には寒気がした。祖母は8人兄弟だったが、
彼らには今娘しか居ない。息子もそれぞれの家で生まれたのに、
全員何故か成人前に交通事故で死んだそうだ。理由はF家の長男の息子
(祖母の甥っ子)が「魂抜き」をせずF家の墓を移したせいだと言う。
迷信か偶然、と言われてもこの話を聞くとちょっと怖いなあ。


いろいろ後悔ついでに、帰りに寄ったキャナルシティ
母に日傘を買ってあげた。孝行したい時に親はなし、って実感させられたし。
本当に孝行できるのはいつになるやら分からんけど。