お通夜

 台風の夜に祖母の訃報が届き、翌日かんかん照りの中福岡に向かった。
数年ぶりの福岡だけど、伯父や伯母は「よくきたね」と迎えてくれた。
30過ぎた私に70近い伯母が「もうayaはでかくて抱っこできないねー」と
抱きついてくるのは恥ずかしいを通り越してちょっと赤面モノだったけど。


 棺の中の祖母は想像以上に年老いて、小さくて驚くほど冷たかった。
訃報を聞いた時は現実味がなかったのに、一気に目を覚まされたような。
伯父や伯母も年老いていた。
遠いのを口実に、何年も帰らなかったのを今更後悔した。
普通なら、結婚や出産で顔見せに来ることもあったろうに、と思うと
申し訳ないようななんとも言えない気持ち。


お通夜で泊まった「あすか会館」は色んなモノがあって至れりつくせり。
数珠やネクタイ、香典袋はもちろん「お供セット」が目をひいた。
ゴルフや釣りが趣味だった人のためにお館に入れて一緒に燃やせる
ゴルフクラブや釣竿があった。お値段は1〜3万円。高っ。
でも金に糸目はつけない人が多いんだろうなあ。


そんなものに驚いたり、祖母にお線香を上げたりしながら一晩過ごした。